深夜。だれかと話したい気分。というか、なんだか胸がざわざわしている。たぶん風がすずしいからだ(気取っているわけじゃなくて、ほんとにそう思う。夏の夜に、風がすずしかったりしたら胸がざわめく)。こんな気分はひさしぶり。外に出て走り回りたい。どこか行きたい。泣きたい。だれかと無性に話したい。だれかの顔を見たい。ちょっと混乱してるかも。でも悪くない気分。さびしいんだ。でもそれも悪くない。心地良いさびしさだ。泣きたい。泣きたい。ああ。もう、これは完全に恥部だな。ま、いいか。いいんだ。これも自分だし。せいぜい数十年の命。そのうち忘れられる。むしろ忘れてほしい。それが救い。時間のことを考える。ああ。なにをやってるんだ。でも、こんなこと書いているということは、誰かに読んでほしいんだな。それに先行して、書きたいほうが強いんだけれど。昔は、ノートのほうの日記にこういうことを書いてた。だれも読まない日記。でもどこかでそれも読んでほしかったのかも。虫の声がする。昼間は蝉の声がうるさかった。ああ。いまなら誰でも、ついてきてと言われれば後をついていくだろう。なんでも命令をきくだろう。誰かとしゃべりたいんだ。また昼が、光がやってくるんだな。泣きたい。ああ。恥ずかしい。まあいいや。もう、なんでもいいや。時間が流れているんだ。なんでこんなにはやいんだ。いつのまにか月日が経っている。絶望する。でもそれもきっといいことなんだ。なんでも起こることは、起こったことはいいことだったんだ。時間が経つのもいいことなのだろう。いつの間にかこの日記も8月9月となっているだろう。恐ろしいはやさ。そしてすぐに死の直前だ。ああ楽しい。楽しい人生。いろいろあった。腹の立つことも嬉しいことも。そういうもんだ。そういうもんだ。せいぜい楽しく過ごせたらいいなあ。楽しいのが好きなんだ、自分は。それだけだ。もう。言いたいのはそれだけ。だれかと話したい。誰もいないから自分と話す。それもいいか。