もう11月なんだな。はやいなあ。ほんとに。時間っていうのは…昔からたまに考えるけれども、ほんとうにびっくりするくらい流れるのがはやい。気が付くと、知らないうちに、1年が経っている。そして戻れない日々が積もっていく。山になる。
もうすぐ誕生日か。あと4日かな。はやいな。そうして気が付くと来年になってまた次の誕生日。10年が経ち…いや、それくらいにはもうこの世にいないかもしれんけど。そんな先のことを考えようとすると、というより、自分は、一週間先のことでも、3日先のことを考えようとしても、思考停止におちいるんだ。考えることができない。考えてはいけない気がするんだ。
それにしても時間っていうのは不思議なものだな。ずっと現在しかないっていうのは分かっているんだけれども。でも、過去の楽しいことを考えると、どうにも不思議さと悲しさみたいなものが出てくるんだな。切なさというか。たぶん言葉では、一言では、うまく言えないけれども。物語で示すべきことなのかもしれない。この感情は。
時間に対する好きな、いや衝撃を受けた言葉がある。ボルヘスが紹介していたものだけれど、こういう言葉。
  わたしの前に時間はなかった、わたしの後にもない
  わたしと共に彼女は生まれ、わたし共に死ぬ
ダニエル・フォン・シェプコ「知恵の警句詩六百選」っていう書物からの言葉。1655年の本。ボルヘスのほうは、「異端審問」という本。素晴らしい本です。
あたらしい朝がきた、か。