ランドセルを背負った朝露が楽しそうに笑っている。醜い言葉を投げかけてマンホールがゆっくりと転げ落ちる。なにも飾っていない額が寂しそうに佇んでいる。見たこともないほど大きな蝶がばさばさと飛んでいる。鱗粉が地面に積もってまるで雪のようだ。その上を歩いた人の足跡は風によって一瞬に消し去られる。鱗粉はこの星を覆い、星は新しい時代を迎える。人々は趣味を持つようになる。人々はいつでも煙草を吸いながら賭事に興じる。お金がばらまかれる。死んでいく人たちは大きな蝶になって飛んでいく。そして鱗粉を落とす。長い長い道が果てしなく続いている。