思い出に残ったから思い出が死んだ、思い出の中には思い出じゃないものが入っていた329個、でもそれらは全部にせもので、その証拠に変な匂いがしたので私にはそれがにせものってことはすぐに分かったけど分からない人も大勢いるみたい、なんていう世の中なんだろうこんなことも分からないなんて、だって匂いをかげばだれでも分かるし分からないなんておかしいよ、私の飼っている犬は一瞬でそれが分かった、まあ犬はもともと鼻がいい生き物だから分かるのは当たり前といえば当たり前なんだけど、それはともかく私には世の中の、分かるはずのものがみんな分かっていないことに大きく憤慨しているんだそんなのおかしいって、たとえば私にはこのお菓子がぜんぜんおいしくないと分かっているのに他の人はみんなおいしいなんてことを私に言って困らせるんだ困ってもいいけど混乱させるんだ私にはよく分からない私には「それがそうである」ことが当たり前に思えるのにみんなはそれが分からないんだ、それから私は関係ないけど足がはやいよ、足が世界一はやい。だからどこでも走っていける電車なんか乗ったことはいままでに一度もないよだって走ればどこだって行けるし海だって走って渡れるから飛行機も乗ったことないしハワイまでなら20分でいけるよ、でもこんなことはいまはどうでもいいことだから言っても無駄だったねごめんなさい、それより私はお腹がすいてきたからいまから私はフライドチキンを食べます、あなたたたちも遠慮せずに食べてもいいよフライドチキンおいしいからぜひ食べなさい私にかまわず食べなさい、ただし骨は私にください、私はそのフライドチキンを食べ終わった後の骨を使って儀式をするから、儀式というのは、その骨を土の中に埋めるんだ、そうして3日ほど待つとその骨を埋めてあるあたりの土が青白く光りだすからそうしたらその土をいそいで掘り返すんだ、そうしたら土の中から骨じゃなくてひとつの小さな種が出てくるからそれをすぐに用意していた植木ばちに植えて水をあげて3日ほど待つんだ。そうしたら土が青白く光りだすからすぐに土を掘り返すんだ、そうしたら土の中から赤い花びらが出てくるからその赤い花びらをすぐに用意した水の入ったコップの中に入れて3日ほど待っているんだ、そうして3日経ったら水が青白く光ってくるからすぐにコップを割るんだ、そうしたら割れたコップから小さな小さな毛虫が一匹出てくるからその毛虫を用意したなにも入っていない箱の中に入れるんだ、そうして3日ほど待つと箱が青白く光りだすから箱を開けてみよう、開けてみたら箱の中から小さな紙切れが出てきてその紙切れには「思い出」っていう文字が書いてあるからその紙切れを用意したノートの5枚目のページに貼り付けよう、そうして3日経つとノートが青白く光りだすからノートを開けてみると、5枚目のページのところに小さな不気味な人形が入っているからその人形を用意した時計の「9」のところにテープで貼り付けよう、そうして3日経つと時計が青白く光りだすから時計を見てみよう、すると時計であったはずのものが時計じゃなくてなにか黒い炭のようなものになっているからその黒い炭を用意したオレンジの中にむりやり押し込んで3日ほど待ってみよう、そうするとオレンジが青白く光りだすからオレンジをむいて食べてみよう、そうして3日たつとあなたの体が青白く光りだすからあなたは指を喉に突っ込んで吐いてみよう、そうすると胃から白くてまるくてつるつるしたものが出てくるからそれを用意した私の手の中に入れよう。私はその丸いものを大事に今でも持っています、なぜならそれは私の思い出だからです。