品川。原美術館の「タピエス−スペインの巨人 熱き絵画の挑戦」を見る。恥ずかしながら、いままでタピエスという名前を知らなかったのだけれど、今回の展覧会を見て、たいへん魅了された。図録などでは魅力はまったく伝わらない。そのもの自体が放つ強烈な力。
銀座。内藤礼の展覧会を見たかったのに、今日はギャラリーが休みだった。あちこちうろうろする。適当に入った本屋で適当に立ち読みしていたら、いつの間にか読んでいた雑誌をレジに持っていっていた。「新潮」5月号。文芸誌なんて買ったのはじめて。内容は、舞城王太郎の長編、村上春樹の短編、古井由吉の短編、蓮實重彦と浅田彰の対談(ゴダールとストローブ=ユイレについて)、テオ・アンゲロプロスと柳美里の対談、保坂和志の小説をめぐるエッセー、大竹伸朗の美術をめぐるエッセー、椹木野衣のK.K.論(「ワラッテイイトモ、」のK.K.)、都築響一の詩論(これがおもしろい。死刑執行前の囚人の書いた俳句などを取り上げていた。タイトルは「夜露死苦現代詩」)、四方田犬彦のエミール・クストリッツァ論、あと「偽日記」というサイトで有名な古谷利裕さんの書評(大道珠貴「傷口にはウオッカ」)など。かなり充実していると思う。表紙デザインもいい(梶井照陰の写真を使っている)。