雨。けもの道さんのグループ展に行っていろいろ話したり食べたりした。知らない人ばかり。絵の話とか。でも話すのは苦手で困る。自分は、話したいのか話したくないのかよく分からない。なにかをしたいと思うのだけれど、それをしたらそれはしたいことだったのかなんなのかよく分からなくなる。その後アルバイトをさぼってお酒を飲んだりした。トイレに二回立った。ドアが開けにくいトイレだった。なにを話したのかよく覚えていないが行って良かったと思う。この前もネットで知り合った人と食べたり飲んだりした。ずいぶん前。ネットで知り合った人。この日記もネット。この日記を読んでいるのはどういう人だろう。自分はたぶんだれも読んでなくても同じ内容の文章を書いている気がする。自分は、話すのより書く方がましな気がする。書くのは好きだから。書くのは好きだ。文章を書くのは好き。絵を描くのも好き。写真を撮るのはたぶんそのふたつより劣る。写真は現実にあるものを撮るから。じつは少し酔っている。だから脈略のないおかしな文章だろう。でもそれは自分の正直なところだ。自分はときどき泣きたくなる。理由は分からない。今日は、ほんとうはアルバイトに行く日で、行くつもりだったから、なんだか不思議な感じで、静かで、少しだけ後悔していて、でも後悔しても仕方ない。もう終わったことだから。どこかでなにかが鳴っていてそれがうるさい。
サイレン。今日みんなと話してその帰り、中央線に乗ろうとしたら電車が変な位置で止まっていてだれも乗っていなくて中は真っ暗で、サイレンがビービー鳴っていた。人が普通とは違う顔をしていてなにがあったんだろうと奥へ進んだ。だれか、人が亡くなった、自ら命を絶った、と分かってその場面を想像してしまい奮えて動けなくなって警察官が黄色いテープを電車のまわりを囲って入れなくしたり大きな布を持ち上げて中を見えないようにしながら担架が通るのをただ見つめるしかなかった。これでこんなに恐ろしいのだったら戦争はどんなだろうと思った。
ほんとうは今頃働いているはずで、でもさぼったから働いていなくてこうやって携帯のボタンを押している。後悔と爽快と不思議な感じ。めずらしいからいいことなんだろう。普段とは違うからいいんだろう。この独特の感じ。雨が降っている。
これはだれに向けて書かれているのかさっぱり分からないが、自分が書きたいからそれでもいいんだろう。これが一番正直で、掲示板の受け答えや日記のコメントの返事やそういうのは、いまの感じと比べると作っていることが多い。なぜならこれは、ひとりだから。だれにも向けられていない文章だから。
いまからなにをしよう。図書館で借りたベケットの「マロウンは死ぬ」を読むか、寝るか。お酒を飲んで酔っている。雨の音がやみ鳥の声が聞こえる。不思議な静けさ。どこかでなにかが鳴っているのもやんだ。
だれかの顔が見たい。話はしたくないがただ顔を見ていたい。ずっと見たい。見続けたい。その人にも自分の顔を見ていてほしい。ずっとずっとずっとそうしていたいと、いま思った。