三宮。北野武の「TAKESHIS'」を観る。個人的に「キッズ・リターン」以降の作品(ということはバイク事故以降の作品)は、あまり好きになれなかったんだけれど(とくに、音楽の弛緩した使い方が気になって仕方ない。他にもいろいろ理由がある)、「TAKESHIS'」は、それ以前の作品と同じくらいか、あるいはそれ以上に素晴らしいと思ったし、感動したし、衝撃を受けた。それから、後半で思わず泣いてしまった。自分はいままで映画館で泣いたことは一度くらいしかなくて、それは小津安二郎の「東京物語」なのだけれど、そのときはほんとうに号泣してしまった。あれは何年も前だったけれど、それ以来かもしれない。とにかく、こんな映画、なかなか観れないことは間違いない。それだけでも十分価値のあることだろう。