そのドアを開けてみた。真っ暗だった。なにも見えない。完全な闇。しかし、しばらくすると、少しずつ、ぼんやりと光が見えだした。光は、はじめはひとつだったのが、だんだんと数が増えていった。いつの間にか、数えきれないくらいの数になっている。それらの光は、すべて私のことを呼んでいるような気がした。私は、どれかひとつの光に向かって歩いていかなければならないのだ。だがいったい、たくさんあるうちの、どの光に向かって進んでいったらいいのだろうか。なにしろ、光のすべてが私を呼んでいるのだ。…いや、すでに私は知っている。どの光を選べばよいのか知っている。
私は、あるひとつの光に向かって、一直線に歩きだした。