肌にあたる風が強くても、元気に歩かなくては。こういう日は気分がうまく動かないけれど。
みな電車に乗ってどこかつらいところに出かけているじゃないか。ほらあの人は夕べ泣いた後がある。あの人は顔をふさぎ込んで見えないようにしている。なにかたくさんのものを乗せた電車が、ゆっくりと発進する。影のないひらべったい風景が流れていく。