いつの間にか闘病記のようなおもむきも出てきたこの日記だけれど、昨夜は嘔吐のかわりに下痢がほんとうにひどくて、ただ一時間のあいだに5回も6回もトイレへ駆け込むという行為を繰り返し、寝ているときも何度か起こされてつらかった。そうして今日はさすがに労働へ行くことにして、朝の6時半には起きていそいそと用意をし、普段よりいくらかからっぽな電車に乗り、少し赤色のまじった透明な街におりたった。
労働のあいだは体の調子も比較的良く、いまはその労働も無事終わってまた別の電車に乗り、家のある方へ向かっているところ。となりには母親に連れられた少女が、携帯ゲーム機のボタンを押して遊んでいるのが見える。少し歩いたほうがいいような気がして、最寄り駅のひとつ前の駅でおり、神田川沿いのカーブした細い道を、葉っぱの抜け落ちた木のシルエットの群れや、だんだんと暗くなっていく凍った冬の空を見ながら、とぼとぼと上流に向かって進んでいった。