楽しみに待っていた、ミシェル・オスロ監督の「アズールとアスマール」を、朝一番に観に行く(渋谷のシネマ・アンジェリカ)。いろいろなところで感動したし、何度か涙もにじんだ。なにより色彩の至福があり、物語の豊かさがあった。それでいて、日本の劇場用アニメでは扱えないようなことをあっさりと扱っていたり、極上のエンターティメントでありながらそれで終わることなく、ある苦しさみたいなものも入っていて、解決をいそがない。個人的には、舞台になっている古代イスラムの世界も好きだったし、主人公アズールの姿も美しく(CGなので少し心配していたのだけれど)、見入ってしまった。ところどころで「キリクと魔女」を彷彿とさせるシーンに気づいたり、テーマの共通性を見いだしたりした。今日は初日だったので、上映の後、翻訳や監修などを担当した高畑勲監督と、声を担当した3人の俳優(?ひとりは8歳の女の子)が登場し、舞台挨拶するのも聞くことができた(べつに挨拶などはしなかったけれど、鈴木敏夫さんも見かけた)。
それから、せっかく出かけたのだからと、初台まで行き、東京オペラシティアートギャラリーの「メルティング・ポイント展」を見る。これは、3人の作家(ジム・ランビー、渋谷清道、エルネスト・ネト)によるインスタレーションの企画。こちらも今日が初日だった。