トヨクラさんの家の近所にある、光の教会に連れて行ってもらう(ちなみに昨日は、トヨクラさんの家に泊めてもらった…)。教会の中には入れなくて残念だったけれど、外からでも、例の有名な、十字架のかたちに抜いた壁の様子が見えた。建物の外部にも、アイデアがあるのを見つける。
それから、これもトヨクラさんの家の近所にある、万博記念公園へ行った(連れていってもらった)。そこからはひとりで、公園の中を歩きまわる。太陽の塔は大きく、力強かった。公園自体もかなり広く、あちこちで、37年前におこなわれた万国博覧会の残したしるしを見つけた。それから、この公園の中にあることを知らなかったのだけれど、国立民族学博物館があったので、特別展(オセアニア大航海展)と常設展を順に見ていく。とくに特筆すべきは常設のほうで、こちらは世界中のあらゆる民族的なものが膨大に展示されていた。少しメモを残せたもの(気になったもの)をあげると、エチオピア正教の十字架群、西アフリカの砂金はかりの分銅群、ヨーロッパのいろいろな形のランプ、イスタンブールの影絵人形、インドの山車(巨大で、過剰すぎる装飾性)、カアバ神殿の垂れ幕、インドネシアの、これも影絵人形、それから、メモするまでもなく目立って多かったのは、様々な像、そして仮面、服飾品、生活に使う道具、武器、楽器、場合によっては住居が再現されたりもしていた。それぞれ全部おもしろいし良いのだけれど、数自体があまりにも多すぎるので、人間の、いや少なくとも自分の、処理できる情報量を軽く越えていて、見ても見ても新しい民族の展示があらわれ、迫ってくるので、少しうんざりもした…(大竹伸朗の「全景」展以上だ)。そうして、最後には日本が紹介されるのだけれど、それまでいろいろな民族のつくったものを見てきたことによって気付いたのは、日本は圧倒的にワラの文化だということ。ものをつくるときの材料として、木や石や革や、鉄などの金属やガラスや、いろいろなものがあると思うけれど、日本だけ圧倒的に多く、ワラを使っているのに気付いた(ワラジや傘や紐や、家の屋根や神社に使われるツナ?まで)。他の民族…とくにアジア以外で、ワラはほとんど使っていなかったような気がする(もちろん、今回見た展示に限っての話だけれど)。
家へ帰って、ネットのニュースで黒川紀章が亡くなったことを知った。この前選挙に出たばっかりなのに、テレビにもけっこう出ていたけど突然だなあと思ったのだけれど、それよりも驚いたのは、その記事の中で、黒川紀章の代表作として、自分がさっき行ったばかりの国立民族学博物館があげられていたこと。あれが黒川紀章の設計とは知らなかったし、しかも行った日に偶然亡くなるなんて。