楽しみにしていた、チェルフィッチュの新作「フリータイム」を、六本木のスーパーデラックスで観る。そのあと、岡田利規東浩紀の対談も聞く。
舞台の内容は、全体的にとてもおもしろくて、でもそのおもしろさの全部を文字にするのは、自分には難しい。ただひとつだけ書くと、やっぱり、(チェルフィッチュの)演劇でしかありえないような、演劇の一瞬みたいなものを今回も体験できた、ということ。それがつくられるのはたぶん、自分が思うに(ただ自分がそこに魅了されている、というだけかもしれないけれど)、役者の体の(なにかを説明することから外れた、一見意味がないような)動きにあるように思う。それが、絶妙なタイミングやかたちで見られたときに、感動してしまう。たとえば、ある女の人がなにか思い出話をしていて、そのときに片手をひらいたり閉じたりしていたところや、最後のところで、黄緑色の穴があいた四角形のものを、片足に入れて、ことんことん音をさせながら歩くところとか、強く印象に残っている。…あれはいったいなんなのか。