窓の外の、自分より少し高いところからカラスらしき鳥の鳴き声が、しつこいくらいに何度も聞こえる。カーテンをしていて、姿は見えないけれど。
夕方少し気温が下がって、本も読み終わったから、そのまま寝ているかっこうで、いろいろな音を聞いている。カラスはどこかへ離れたらしく、鳴き声が小さくなって、かわりに裏の家から掃除機の音が聞こえる。あとはときどき車の走る音や、近くの公園で遊んでいるらしい、子どもの声が聞こえてくる。そういう音を聞きながら、なにより気持ちがいいのは、カーテンをふくらませながら入ってくる冷たい風が、顔や体に当たったとき。そのとき静かな喜びを感じる。
そうして、ぼんやりとした頭と目で、光がだんだん弱くなっていくのを見ている。