きゅうに、スタジオジブリへ行ってみようと思った。住所を調べ、お昼くらいに家を出て、自転車で東小金井のスタジオジブリの前まで行って、建物などを見た。近くには、宮崎駿のアトリエ(テレビで見たことのある、宮崎監督の車が止まっていた)や、「3匹の熊の家」と書かれた看板のかかっている、物語に出てきそうな家と、「3匹の熊の庭」という場所を見つけた(子どもの遊び場もあった…あとで調べたら、新しくつくられたジブリの社員保育園みたいだ)。監督がいるのを見たわけじゃないけれど、それでも満足した。スタジオのすぐ前には巨大な変電所があり、それが少し意外な気がした。
そのあと、近くにある小金井公園へ行った。かなり広く、人も少ないので良い場所だと思った。公園の中にある、江戸東京たてもの園というところにも入った。動物園は動物を見るところだけど、たてもの園は建物を見るところ。名前に江戸が入っているけれど、江戸時代以降の洋風の建物もけっこう見れた。それぞれの家の中にも入れて、おもしろかった。あと、「パンダコパンダ」DVDの映像特典に入っていた、宮崎駿と高畑勲の対談で使われた、昔の文具屋さんとかも見れた。「千と千尋の神隠し」のモデルになったらしい建物(銭湯など)もあった。
それから公園を出て、多摩湖自転車道という、まっすぐに伸びた自転車の道を走る。こんな道があるなんて知らなかったのだけれど、とても良い自転車の道だと思った(道の両脇にはずっと木が生えていた)。ぜんぜん予定になかったのだけれど、この道の最後にあるらしい、多摩湖まで行ってみることにした(多摩湖という湖の存在も、今日はじめて知った)。


行ってみることにした、と簡単に言っても、多摩湖まではけっこう長い道のりで、着くまでにはかなり時間がかかったし、疲れた。しかもその多摩湖自転車道は、多摩湖に着いて終わりではなく、多摩湖を一周しているらしく、ここまで来たらそれも果たさなくてはという気持ちになり、走ることにした。もうそこは、はっきりとただの山道で、くもり空の下、蝉が鳴く山の中を、へとへとになりながら自転車で走った(山道なので、上り坂になっていた)。その湖の中間くらいにある橋へ着いたとき、そこから見る眺めはすがすがしく、気持ちが良かったので、なんだか報われたような気がした。しばらくそこで休憩した。もう自転車に乗りたくなかったが、帰らなくては仕方がないので、嫌々ながら、重い腰を上げた。帰りにどれくらい時間がかかるかも分からないし、ちゃんと帰れるかという心細い気持ちを持ちながら、自転車を走らせた。
なんとか湖を囲む山を出たら、あとは分かりやすく(途中、西武ドームもあった)、ひたすらにまっすぐの道をいそいだ。そうして、だんだんと人が多くなっていくのが分かった。湖を出てからたぶん2時間くらいで、吉祥寺へ着いた。吉祥寺は、不自然に人が多いような気がした。