横浜へ行った。ZAIM別館の「THE ECHO」展を見た。
これは、20人くらいの若い作家たちの展覧会。それぞれおもしろかったのだけれど、とくに大野智史が良かった。大野智史は、いままで3回くらい展示を見ていると思うのだけれど、いままでで一番充実していたように思う(はじめて見たのは、吉祥寺のGallery惺という、かなり小さいギャラリーだった。当時、そのギャラリーの近くに住んでいたので、たまにのぞいていたのだけれど、そのときに見たのだった…しかし、当時はなんとも思わなかったのを覚えている。森の中にあるスピーカーとか描いていて、モチーフとかはほとんど同じなのだけれど、いまよりかなりおとなしい描き方だった。ちなみに、ほかに見たのはワンダーサイト渋谷とmagicalの展示で、小山登美夫ギャラリーの個展は見ていない)。今回の展示は、さまざまな大きさ、技法、材料を使った絵と、銀色のどろどろとした山のような彫刻、モノクロの森の写真、床に砂を使って描かれた模様などを、かなり広めの(この展覧会で一番広い空間を使っていた)部屋に、ラフな感覚で配置し、さらに黒いスプレーで部屋に直接、間接的に模様が描かれた展示。ひとつひとつの絵や作品もおもしろいのだけれど、それよりも空間全体としておもしろかった…混沌としていた(写真も撮ったのだけれど、ここには載せれないので、小山登美夫ギャラリーの、展示の模様を紹介しているブログにリンクを貼っておきます)。あとは、磯邊一郎とか泉太郎の展示がおもしろかった。
(しかし、それら3人の展示がおもしろいといっても、欲しいかどうかという目で見ると、べつに欲しくなくて、それよりも、山口智子や増田佳江の、色の快楽がある絵が良いと思ってしまう。当たり前の話かもしれないけれど、作品を見る体験がおもしろいというのと、それを所持したいというのは違っているのだ。それはきっと、長い時間その作品の近くにいたいかどうか、というのもあるだろう)。


そのあと、BankART Studio NYKへ行って、勅使川原三郎+佐東利穂子のパフォーマンスを見た。空間と、音と、ダンス…自分の視聴覚を、すべてゆだねた。1時間以上、息をこらして見ていた。