帰り道、ある場所へ来ると、前方の景色が自分の家の近くの景色によく似ていて、あ、あと少しで家に着くんだと思って嬉しくなる。しかし、そこは、自分の家の近くに似ているというだけの違う場所で、家まではまだけっこう距離がある。そのことに気づいて、がっかりする。
一度そういうことがあったら、次からはもうそんな間違えはしなくても良さそうなものなのに、また次の日そこを通って、前方の、自分の家の近くに似た景色を見ると、あ、家の近くなんだと思って嬉しくなり、そして、また間違えだと気づいてがっかりする。それを、もう何回か繰り返していて、今日もまたそれをしてしまった。今日は、雨の中のつらい自転車だったから、よけいに嬉しさとがっかりが大きかった。