お昼、ひさしぶりにいつもの公園へ行くと、冬にこわそうな印象だった木々の枝の先に、緑の葉っぱがたくさんしげっていて、ざわざわと風にゆれている。同じ木なのに、冬とまったくべつの印象になった。しばらく見なかった二匹の猫もやってきたので、やわらかいパンをちぎってあげた。とても静かで、遠くでカラスが鳴いているのと、ときどき車の音がするくらい。
下を見ると、なぜか地面に、腕時計のベルトがとれたもの(時間は間違っているが、針は動いている)と、イヤホンの半端にちぎれたのと、複雑なかたちをした金色の針金と、あと、うすい水色のドロップみたいなのが、ばらばらに落ちている。そのあいだを、何匹かの蟻が、なにを考えているのか知らないが、せわしなく行き来している。