前回の日記で、次は「私たちは…」の内容について書く、と書いたので(自分自身のためのメモという意味もありますし)なにか書いておこうと思います。


まず、そもそもなぜこういう写真集をつくったのか、というか、なぜこういう写真を撮ろうと思ったのか。
それはひとつには、今年の夏に撮っていたポートレイト写真からの流れがあります。あのとき25人撮影しましたが、そのポートレイト写真をウェブで見てもらうだけではなく、本にまとめてみようかな、という考えが出てきました。そのテストとして、anccoさんと大島智子さんふたりをそれぞれ一冊ずつにまとめたものを、BCCKSのサービスを使ってカード式の写真集をつくってみました。



そのときに出来たのがこれです。オンデマンドにしては印刷は綺麗なものの、内容としてはふつうのポートレイト写真を並べただけなので、発表してもそこまでおもしろさはないかもしれないと思い、結局表には出しませんでした。
ちなみに、なぜテスト本に選んだのがanccoさんと大島智子さんだったのかというと、被写体として魅力的というのはもちろんありましたが、ウェブには出していないけれど、本にまとめれるだけの数の写真がまだたくさんあったから、というのが理由でした。
(あと、そのときの本のまとめ方として、ふたりを別々にまとめる案と、ふたりを一冊にしてまとめる案を考えていて、ふたりを一冊にしてまとめるときのタイトルを、ふたりの名前を取って「ともあん」にしたらかわいいんじゃないか、と思ってそう付けていました)


そういうわけで、ポートレイト写真の本はつくらないけれど、「ともあん」本はつくってみたいという気持ちが生まれてきて、ふたりを一緒に新しく撮影できたらと思っていました。
それで、たしか9月ごろにふたりにそれを提案してみました。しかし、なかなか時間が合わずに、結局撮影できたのは11月27日になってしまいました。撮影場所は、今年の海水浴の時期に一度行っていて、良かったというのが頭にあったので江ノ島の海岸あたりにしました。



さて、内容についてです。
やはり、今まで撮っていたスナップとは違う、お願いして撮るポートレイト写真からの延長ですが、しかし、夏に撮った25人のポートレイトとは違う方法で撮影したい、というのがありました。つまり、25人のポートレイトは、その人の私的な物語や背景は写らないようにして撮っています。たんなるその人の外見自体を撮る、もっというと、明確に、表情を撮りたい、ということがありました。


「ともあん」の写真はそれとは違って、もっとプライベートが見えるようにしたい、と思いました。そういう意味で、ポートレイトに、スナップ的な要素を混ぜた、というふうにも言えるかもしれません。たまたま自分がそこに居合わせて、たまたま撮れた、というニュアンスを入れたかったのです。
そこで、ふたりの背景が感じられるように、物語があるようにして撮っています。
どういう物語なのかは、写真集を見てもらえれば分かると思いますが、とにかくファッション写真的な、たんなる「見た目」ではない写真にしたい、という意識がありました。


自分がカメラを持って外を歩いていて、あっと息を飲んで思わず写真に撮りたいと思うような瞬間を、ある程度意図的につくっている感じでしょうか。でも、すべて演出しているわけでもなく、そこからはみ出したものが出たら良いと思って撮っていた気もします。
とにかく、思うのは、うまくいっているのかどうか判断できませんが、今まで自分が撮っていた方法とは明らかに違うということです。そもそもポートレイト撮影が、(自分の)スナップの撮り方とはだいぶ違っているのですが、さらにまた違うことをしているなという感じがありました(もちろんそれは、自分にとってということにすぎませんが)。


なんだか普通なことを言っていて、自分でもどうかという気がしてきました…。まあそういうわけで、話が中途半端な気もしますが、今回はこのへんで終わりにします。
もしかしたらあと一回くらい何か書くかもしれません。



(ここに載せている写真は写真集未収録のものを選びました)