帰り道、いつもの公園。夜、まっくら。水飲み場の上にちょこんと猫が座っていて、蛇口のところをじっと見ていた。ぼくは、なにをしているんだろう、かわいいなと思って近寄った。そして、あっ、と気づいて蛇口をひねった。すると、猫はごくごくと水を飲み始めた。長い間、飲んでいた。猫は、だれかが蛇口をひねって水を飲ませてくれないか、じっと待っていたのだ。