深夜4時。仕事場を抜け出してひとり街を徘徊。画面の見すぎで目が疲れた。頭も痛い。紅茶を飲んで、近くの雑居ビルに勝手に入って階段をのぼり、2階か3階あたりで腰をおろして休む。目をつぶる。考える。そこは孤独なところ。赤い階段。つぶれたカラオケボックス。非常階段のプレート。寂しい。でもたぶん、深夜4時という時間帯によってその空間は寂しくなっているのだ。しばらくそこで座っている。それからそこを後にして仕事場へ帰ろうとするが道に迷ってしまう。知らない場所へ来てしまった。住所を見ても自分の知らない名前で不安になる。知っているところに出ようとして歩き回るが分からない。でもその迷子を少し楽しんでもいる。知らないところはそれだけで魅力だし軽いものなら不安もときに悪くない。灰色のビルばかりで空もどんよりと曇っている。車がせわしなく道路を行き来する。どこかへ向かおうとしている。自分も帰らなくては。もうすぐ朝が来る。