人間にとって最上のことは人間であることをおいてほかになく…という文を、昔読んだチェスタトンの小説(たしか「詩人と狂人達」)で見つけたことがある。それを読んだとき、たしかにその通りだと思い、そしてその文の意味に幸福感を覚えた。さらにその文章に「そしてまた、私にとって最上のことは私であることをおいてほかにはない」と続けることもできるだろう。そのように考えることで、見えてくることもあるのじゃないかと思う。大切なのはしっかりと物事を見つめること。私を見つめること。私にないものはない。あるものでやっていかなくてはいけない。しかし、それが最大の幸福にほかならないのだ。