どこかの文芸誌(「文學界」だったかな)で浅田彰が、森美術館でいま行われている杉本博司の展覧会について書いていて、激賞と言っていいほど評価しているのだけれど、その中でリヒターに触れている部分があって、それが自分にはとても納得がいった。杉本博司は、リヒターとやろうとしていることが似ているんですね(リヒターは写真を絵に描いているが、杉本博司は博物館の模型を写真に撮っている)。だから自分には、それが価値のある創作行為だと思うし、評価が高いのも分かるのだけれど、あまり響かないし、堂々としすぎて堅苦しく感じる、つまり生を感じない、部屋に飾りたいとも思わないのだ(部屋にあると緊張しそう)。あと、この展覧会の会場設計は作家本人が手がけていて、「海景」のシリーズの会場には能の舞台が設置してあるのだけれど、それはないほうが完璧だったと浅田彰が書いていて、それは自分も考えたことだった。
今日はひさしぶりにちゃんと晴れて、気持ちがいい。お昼、お弁当を買って、公園の池の前のベンチに座って食べた。行楽気分。