外は楽しい気分があふれているけれど、内側はそうではない。夕方の薄い光で本を読むのに疲れて、そばに本を起き、横になってなにか考えている。どうにも頼りない身分で、ただ空気の中に存在している。
もうすぐ夜になるかな。小さい声でカラスが鳴いている。自動車や、どこかの部屋のテレビの音も聞こえる。なにかの物音。木の葉の間を通るさらさらとした風の音。ドアが開き、閉まる音。