雨が家をたたく音が激しく、家のうすさを感じる。けれどもそのうすさによって、雨の強さに波があり、強くなったり弱くなったりしている様子を、はっきりと認めることができる(外にいるよりもはっきりと分かるかもしれない)。
今日は休みだったのだけれど、いつものように6時半に起きた。激しい雨の中、吉祥寺へ出かけた。ふらりとよった本屋で「石田徹也遺作集」を見た。巻末でさまざまな人がメッセージを寄せていて、その中のひとり、大迫修三さんが書いていたのは、石田さんは大学4年のときにひとつぼ展のグランプリをとって、その次の年に開かなければならない個展のために、就職をあきらめたそうだ。またこの前、テレビの「新日曜美術館」で石田さんを特集していたのも見たのだけれど、そこで石田さんの友達が言っていたのは、石田さんは、食べるものはカップラーメンばかりにしていて、そのかわりお金はぜんぶ画材の方にまわしていたそうだ。そういうふうに命をかけて絵を描いていて、31歳の若さで亡くなってしまった。描いているものも共感するところがあるけれど、その、命をかけているところ。その、絵に向かう強い姿勢。そこに心が動かされる。