こまばアゴラ劇場で、神村恵カンパニーの「山脈」を見る。好きなシーンがいくつもあった。ずっと、かわいた独特のユーモアが続いておもしろく、完成度はどうか知らないけれど、とても良かった。
そのあと、予定にはなかったのだけれどPOTALIVEの特別版を見た。POTALIVEというのはお散歩演劇で、案内人といっしょに街を散歩しながら、演劇やダンスなどを見るというもの。自分が見たのは米光一成さん(ゲームデザイナーで「ぷよぷよ」などを作った人)の回で、タイトルは「ぼくがゲームをつくらないと世界が滅びてしまうから」。夜の街や、おもに駒場公園をいっしょに歩きながら、テレビゲームの根本的なところを説明していくというもの。公園の、なにかを禁止している看板や、分かれ道、冊などを、テレビゲームに当てはめて解説していく。そうしながら、ひとつ仕掛けがあって、最後のイベントにつながっていく。その仕掛けが、作られたもの(仕込まれたもの)でないと思ってしまうのが、現実の街を舞台にして進行するPOTALIVEのおもしろさかな。
ひとつ記しておくべきなのは、自分が参加した回のPOTALIVEには、自分をふくめて7、8人の参加者たちがいて、その人たちがぞろぞろと米光さんの後をついていって話を聞いたりしたのだけれど、その7、8人の参加者のうちのひとりが、あの岡田利規だったこと。自分はどうしても意識してしまって、あ、岡田さん右の靴の紐がほどけてる、あ、岡田さん靴紐ほどけてることに気付いて結んだ、とかいちいち気にしてしまった。そうしていつか、「エンジョイ」見たんでけどおもしろかったです、と言おう言おうと思いながらも、結局言えなくて残念だった(米光さんには少し挨拶できた)。
しかし、夜の公園をああいうふうに大人数で歩くというのはなかなかないし、それも米光さんがゲームのことを話し、近くには岡田さんがいてたまに話に入ってきたりする、というのはなんだか嘘みたいな話だ。