東京都写真美術館で開催している、鈴木理策の「熊野 雪 桜」展を見る。一枚一枚の写真も、その構成の仕方(見せ方)も、素晴らしかった。とくに構成は、ちょっと、あまりにも決まりすぎているんじゃないかと思うくらいだけど、それでもやっぱり良いものは良い。写真自体も、写真集などの印刷では絶対に辿りつけない、オリジナルプリントの、ものとしての圧倒的な強さがあった(それでも、図録は買ったけれど…質が相当に落ちているのを承知で)。
同時開催していた企画展を2つ見てから、「カメラになった男 写真家 中平卓馬」を見る。これは、中平卓馬を追ったドキュメンタリー映画で、ずっと見たかったのだけれどいままで見れずにいて、今回はじめて見ることができた。中平卓馬のふるまいはいちいちおかしくて、しかも本人が本気なだけに、自然と笑みがこぼれてしまう。おもしろかったのだけれど、それは中平卓馬本人の魅力によるところが大きいかもしれない。上映の後には小原真史監督と、かつて中平卓馬の弟子だったという写真家の人のトークショーも聞くことができた(そういえば、上にあげた展覧会3つと映画は、すべて無料で見ることができた。10月1日は都民の日らしくて、無料なのだ。そんなこと知らなくて来たので、得をした気分になった)。
その後、服部一成さんの事務所へ行った。もう3度目か4度目だけれど、今日はDMのお礼みたいなかたちで、自分の絵を渡すために足を運んだ。もうすぐ服部さんも個展があるので、事務所の壁には個展に出すポスターがずらりと貼ってあった。そういうのを見ながらあれこれお話したり、あるいは自分の、個展に出さなかった絵や、新しいスクラップブックを見てもらったりした。今日はけっこう長い時間お話できて、服部さんの新作も見れたし、しかも自分が「here and there」のバックナンバーがどこにも置いてないと言ったら、vol.5を持ってきてくださって、いただくこともできた。いろいろと嬉しかった。