信じられないような気候の良さにぼう然とする。まるで初夏みたい。
こういう日は一日中、自転車に乗っていたい。でもそういうわけにはいかないのが、かなしい。いまはお昼の休憩中で、善福寺川沿いの、公園のようなところにあるベンチに座っている。目の前には池があり、ちいさい噴水が見える。ときどき風がふき、桜の花びらがふってくる。自分の服の上にも落ちる。
さまざまな鳥の鳴き声が聞こえる。ふだん聞かないような声ばかり。名前は分からない。でも、鳥の声は嬉しそうに聞こえる。あたらしいはじまりを祝っているよう。自分も祝いたい。そうして、ずっとここにいたい。空気はとても良い匂いがする。
緑の、すきとおった色が揺れている。