川村記念美術館へ行った。常設展とマーク・ロスコ展を見た。
常設展、それぞれおもしろかったけれど、とくにフランク・ステラの部屋にひきつけられた。なかでも68年の「ヒラクラ III」という名前の、巨大な、変形の作品にもっとも強い印象を受けた。絵画にはまだこんなこともできるんだと思った(40年前の作品だから、「まだ」なんて、おかしい言い方だけれど)。ほかには、名高い(?)ニューマン・ルームの「アンナの光」とかモーリス・ルイスとか見れたのが、良かった。
マーク・ロスコ展は、はじめの1枚(「赤の中の黒」)がいちばん好きだった。長い時間見ていた。メインの「シーグラム壁画」は、なぜそうしたのか理由は知っているけれど(この前の東大のワークショップで聞いた)、位置が高いのが致命的だと思った。ほんとうに…せっかくの機会なのに、なぜあの高さにしたんだろうか。ふつうに、もっと近くで見たかった。視界全部におさまるようにして、絵を見たかった(その次の部屋にあった黒い絵の連作は、ふつうに低い位置なので良かった。絵自体も好きだった)。
展示を見たあと、近くの自然散策路を歩いた。今日は天気も良く、気持ちがよかった。いろいろな植物や虫などを見た。この散策路(というか、庭園?)は設計自体もおもしろくて、見える景色が、いつも見ているものとぜんぜん違って新鮮だった。あと、意味もなく広い芝生がひろがっていたので、きゅうに走りたくなり、裸足で走った。全速力で走ったのとか、いつぶりか思い出せない。他よりも芝生がふかふかしているところがあって、そこを走っているとき、体の重さがなくなったような、不思議な感覚をおぼえた。