川崎市岡本太郎美術館へ行った。常設展と、企画展の「対照 佐内正史の写真」展を見た。
佐内正史展は、たくさんの写真が、4つの長い長い台にわりと無造作に並べてあって、見る人は手に取ってそれを見てもいい、という、いままでに経験のない展示の仕方。しかも手袋とかなしに、直にさわることができる。手に持つことで、写真は、よりモノとしての写真になる。…対照レーベルの写真は、この前、写真美術館でひと通り見たけれど(最新作の「フラワーロードの世界」以外)、「EVA NOS」の1枚1枚が、写真集よりもぜんぜん良かった。たぶん、赤がより鮮やかだった。写真としてのおもしろさでも「EVA NOS」が抜群におもしろいと思う。でも、1枚1枚の写真というより、構成の入った写真集としてなら、やっぱり自分は「ARCA」が好きだと思った(そのうち買おう)。
見終わって、近くを歩いていたら(この美術館は、公園というか、半分山の中みたいなところにある)、プラネタリウムがあって、しかも上映(?)がはじまる直前だったので、少しなつかしい気もして(小さい頃に一度見た記憶がある)、入ることにした。望遠鏡をかしてもらって、ときどきそれを使いながら、人工の、しかしふだん見ることのない満天の星空を、だれか進行役の女の人に、いろいろと親切な説明を受けながら、見た。星を見るのもそうだけれど、たくさんの人、子どもたちといっしょの空間で見るというのが、楽しかった。いちばん、星がたくさんになったときには、みんな声を上げ、わっとなった。
星が(ふだんは見えないが)、何億何兆(あるいはもっとたくさん、無限に近い数)も宇宙にある、と心に思うのは、なんともいえない。銀河ひとつに星がいくらあって、その銀河が宇宙にはいくらあって…と、考えていくと、まったく気が遠くなる。そして、自分の命が軽くなるような気がして、嬉しい。