新年が明けて、10日ほど経ってしまいました。


ツイッターには書いていますが、この年末年始、自分なりのファッションイラストレーションを描いてみようと思い、探っていました。
そうして、わりと自然に出来上がっていった作風は、今までの自分の絵とは、かなり変わってしまったように見えるかと思います。
(絵をアップしているタンブラーへのリンクを、上のところに貼りましたのでご覧ください)


少し、(自分のためにも)今回はじめた絵について、文章にしておきたいと思います。


ほとんどの絵は、人物がいて、その背景には自分の撮った写真が使われています。この、絵と写真の合成は、ひとつ特徴といえる部分だろうと思います。
自分は、絵を描き、写真を撮ってきましたが、これらを同時にひとつの作品としてあらわすということはしていませんでした。ですがこの手法では、それが出来ているので、ある意味では念願が叶っているかと思います(絵と写真の結婚)。


そして、写真については、新しく撮らなくても何も心配のいらないくらい膨大な数のストックがあります。その膨大な数の写真に、別の意味を与えることができた(絵と合成するものとしての写真)というのは、自分自身ではかなり大きなことだったりします(見る人にとっては関係ないことだと思いますが)。


また、背景に写真を使うということは、自分が住み、生活している日本という国が、必然的にあらわれてしまうということでもあります。自然に写ってしまう電信柱や日本語の書かれた看板、交通標識、家々は、日本ということを良くも悪くも伝えています。
自分の今までの絵は、日本という国に住んでいる人間が描く意味は、特にない絵でした。もちろん、だから駄目ということではありません。それはそれで良いと思います。ですが自分的には、少し問題というか、物足りないと思っていました。そういう意味では、この手法は「自然と」(出したいと特に思わなくても)日本が出てくるので、良いのではないかと思っています。


最後にやはり、一番大きい自分の問題意識としては、商業的なところへつなげていきたいということがあります。いままでも時々、そういうことを考え活動してきましたが、やはり絵の傾向としては商業的なところへつなげにくい絵だったと思います。いろんな意味での自分の実力のなさもあるかと思いますが、それプラス、絵が目指しているものが、絵自体のおもしろさやある種マニアックなものだったりしたので、やはりそういう意識だとなかなか難しいかと思います(もちろん才能のある人なら、それでも上手く成立させられるかもしれませんが)。
ですので、今回は、絵としての魅力を追求することへ向かうのではなく、商業的な広がりへの意識を持って制作したつもりです(ですので、絵としてはつまらないと思われる方がいらっしゃるかもしれません)。
そして、そういう意識を持って、それでも商業的に上手くいかないなら、それはそれでもう実力としかいえないと思います。厳しい世界ですし。


あと、なぜただのイラストではなく、ファッションイラストレーションなのか?ということについては、単純に自分のファッションへの興味があります。風景を描くことには元々興味がなく、それよりは人物を描くことに興味があり、そして(わりと最近ですが)洋服にも興味があるので、ファッションイラストレーションなのかな、といった感じです。たぶん、ただ単にイラストレーションと言い切っても、なにも問題ないかと思いますが…。


ということで、思ったよりも長くなってしまった気がしますが、自分の考えていたことを整理できたので、文章に書いて良かったと思います。タンブラーは随時更新できたらと思っていますし、この「明るさ」と共に、今年もよろしくお願いいたします。


ファッションイラストのために写真のストックを見直していると、当時は「明るさ」に使わなかった写真でも、けっこう気になるものがあったりして、それも使っていこうかなと思っています。


最後に蛇足ですが、このブログには書いてなかったかもしれませんが、去年7月に引越しをしました。それはただの引越しではなく、ひとつの人生の転機というか、わりと自分では大きなものだったと思っています。その引越しをした日から、今日でちょうど半年でした。