なにをしているのか分からない。あれがなんなのか分からない。道をこつこつと叩いたらまっぷたつに割れました。バッタが嬉しそうに飛び出してきました。それを見たのはぼくの友達でした。友達は砂漠を歩いていました。砂漠の空をまっくろな鳥が飛んでいました。鳥はゆっくりと旋回し、自分がただの世界の一部であることを確かめました。それはかけがえのない感情でした。鳥はもうすぐ自分が死ぬことを知っていました。しかしひとつも悲しいとは思いませんでした。そして今日がしずかに終わろうとしています。ぼくは自分のてのひらを見つめ、それから窓の外を見つめ、小さくひとつうなずきました。