笑ったのは私だったのか彼らだったのか、いまとなっては分からない。とにかく彼らの方が足が長かったのは間違いないだろう。おそらく私の八倍はあったと思われる。これではなんとも勝ち目はない。私はべつに悲しいとは思わない。ただ、電車に乗るのが遅れただけだから。そんなものを悲しむ人なんていない。そうだろう?いつだって神は子供を見ている。その証拠に宇宙は広大で、果てがない。あの看板にはなんて書いてあった?そうら見たことか。私はずぶずぶと沼に入っていく。もう私の姿は見えない。二度と。