体にお変わりありませんか。部屋の様子はどうですか。明かりが少なく暗いかもしれませんが、気持ちまで暗くなっていませんか。ひとりぼっちで寂しくないですか。食事は残さず食べていますか。きっと甘いものに飢えているでしょうね。こちらからお送りしたいとも思うのですが、それは禁止されているのです。残念です。私があなたにできるのは、こうやって手紙を書くことくらいです。少しでも元気になってくれれば、と思っています。どうでしょうか。
とにかくそちらは寒いと聞きます。もちろん暖房などあるはずもなく、冷たいベッドで寝なければならないとか。お体が心配です。せめて心までは冷たくならないように、と思っていますが…。私はいつもあなたのことを考えています。あなたと会える日が待ち遠しい。それが可能なことなのかどうか、定かではありませんが。でも希望は捨てていません。あなたともう一度会うことが、私の唯一の願い。ただ手紙を書き、送り、祈ることしかできませんが、できることをしたいと思っています。
あなたはいま、どんな心境でしょうか。なにを考えているのでしょうか。私にはそれを知ることはできません。あなたは手紙を書くことを禁じられている。なにかを伝えることを禁じられている。私には想像することしかできません。あなたの姿を。あなたの心の中を。きっと私は死ぬまでこれを続けるでしょうね。でもそれは、不幸なことではないのです。私にとっては心あたたまること、心安らぐことなのです。あなたの存在を考えるだけで…。
あなたが元気で暮らしているのかどうか分かりません。でも私は、あなたの心を感じています。あなたの心に触れています。私は、あなたと一緒にいるのです。