自転車に乗って、明石の、海沿いの長い長い道を、ゆっくりと走る。白い鳥が砂浜に集まって、ときどき低く飛んだと思ったら、またふわりともとに戻る。空はくもっているけれど、淡路島のきわのあたりだけがきらりと白く光っている。とても静かで、ただ鳥だけが、高く苦しそうな声を出している。そういう、冬のはじまりの海。