水の中にロープが入れられた。一方は水の外にあり、もう一方が水の中にあるという状態。ロープの先には何もついていない。次に私自身が水の中に足を入れた。水は驚くほど透明で冷たかった。私はロープに触れてみた。ほんの少しだけ揺れた。いま水の中には、ロープと私の足が入っているんだなと考えた。それから私はロープを手に取って、足にしっかりとくくりつけた。その後しばらく待ってみた。しかし、なにかが気に入らなくて、またロープをほどいて元に戻した。私は片足を上げてみた。足の先から水がぽたぽたと落ちた。それから、ずっと上げているのがつらくなって足を下げた。唾をためて、水の中に落としてみた。水の中に、白く濁った私の唾液が交じった。足でかきまわした。だんだんと、私と水がなじんでいるような気がして、心地良かった。
私はこのようにして罪を許された。