サッカーを見る。いままで、サッカーもほかのいろいろなスポーツも、はっきりとつかんだ手ごたえはなかったのだけれど、テレビを見ながら解説などをぼんやり聞いていて、ああ、そうか、サッカーというのは(そうしてまた、スポーツというのは)空間を見つけることなんだ、とひらめいて、はっきりその正体がつかめたような気がした。空間、またはすき間を見つける、見つけられなければ、つくる。その、すき間さがし、すき間づくりの攻防がスポーツと呼ばれるものなんだろう(ただ、陸上や体操など、時間や美しさを競うものは違う)。たぶんそんなことは、スポーツを普通に見てきた人にとっては、当たり前すぎることなのかもしれないけど、あまりスポーツについて考えることのなかった自分にとっては、新しい発見のように思えた。
そういう意味では、スポーツも美術も、同じかもしれない。いかに魅力的な、緊張感のある空間(すき間)をつくるか。