焼いたパンを食べていたら、がりっと音がして、石をかんだような感触があったのでそれを吐いた。見ると、溶けたパンの中に1センチくらいの鉄のかたまりが入っている。パンの製造過程のミスで混入してしまったのかと考え、すぐにパン屋に電話して文句を言ってみたけれど、電話した後でそれをよく見てみたら、どうやら自分の奥歯にかぶせてあったものらしい。そういえばパンの前になにか食べたときにも、小さい石のようなものをかんだ気がしたけれど、思えばあれは前触れだったのだ。そのときは、あまり気にせず飲み込んでしまったけれど…。
ああ、自分はつねづね歯がなにか悪いことになるのを恐れていて、いつも気にしているのに、こういうことが起きたのはショックだし、また治療するにも保険証がないので困る。それに、胃の中にあるはずのかけらを思うと、気分が悪くなりそうだ。