ひさしぶりに(テレビ画面だけれど)映画を観ている。しばらく観ていなかったので、眼というか脳というか、かわいた体に水がしみるように、しみていくのが分かる。
アルノー・デプレシャンの「キングス&クイーン」は、まじめなのか不まじめなのか、重いのか軽いのか分からないところがあって(ゴダールみたいに?)、その感触が不思議。ショットのつなげ方、音楽の使い方も独特で、感情をつかまえようとしながら、ふっとその手をはなされてしまう。ふざけているのか、と思う。でもこういうふうにふざけるのは、正しい気がするし、ほかではあまり見たことがない。
ふざけるの意味が違うかもしれないけれど、最近見たなかでいちばんふざけていたのは、冨永昌敬の「亀虫」と「シャーリー・テンプル・ジャポン」だろうか。最近といってもかなり前だけれど。「シャーリー・テンプル」ははっきりと衝撃を受けた。