夜、灰色の自転車に乗って、アイスクリームを買いにいった。まっくらな空を見上げると、星がひとつ見えた。ほかにないかと思って探すと、もうひとつ見つけた。もうひとつ、見つけた。合わせて3つ見つけた。ほかにはなさそうだった。でも、月がいちばん明るく光っていた。まんまるでもなく、細くもなく、中途半端なかたちだったけれど、いままでに思ったことがないほど、美しいと思った。