今日は、帰り、きゅうに信じられないような量の雨が降り出して、自転車に乗っているのも困難になった。思わず自転車を降り、近くのマンションの自転車置き場にかけ込み、雨をしのいだ。しばらく雨宿りをすることにしたのだけれど、雨宿りをしていたのは自分だけではなく、すでにおじさんがいた。自分は、おじさんとふたりで無言のまま、雨が小降りになるのを待った。しかし、なかなか小降りにはならず、ふたりで呆然と、なにをするでもなくそこに立っていた。雨はあまりに強く降っていた…。
そういえば、雨が降り出す前、むこうのほうの空が、雲もなく、明るくオレンジ色になっているのに、こちらの上空にはなんともいえず暗く、重たそう雲が覆っているのを見た。なんだこの空と思ったら、途端に、猛烈な勢いの雨が降り出したのだった。その、雨が降る前の、奇妙な空の様子と、そのときの空気の不穏さ。