午前中、どういう絵を描こうか考えていたからか、やけに楽しくなってきて、万能感というか、多幸感というか、とにかく幸せな気持ちで、窓の外の明るいのを見ては、喜びをかみしめていたのだけれど、午後きゅうに、あることがあって、暗い気持ちになって、たまらなかった。
大げさかもしれないけれど、人に裏切られたというか、口で言われたこととぜんぜん反対のことが別のところで行われていたのを、ふとしたきっかけで知らされた。それは自分にたいして悪意があったとかじゃなくて、説明するのが面倒なだけだったのかもしれないけれど、裏切られたという気分が強く、なにもかもいやになってしまった。ほかのいろいろなことも、自分にたいして悪意があるように思えた。そういうものはようするに、すべて利己的な態度からきていることだろうと思う。ほんとうに、自分の利益ばかり考えている人は、最悪だ。ようするに全部の悪は、全部の戦争は、全部の環境破壊は、全部そこからきている。自分がよければそれでいい、自分がかわいい、自分の利益になれば人を蹴落としてもいい、自分がお金持ちになればそれでいい、というどうしようもないところからきている。利己主義。人間の憎たらしさ。
と、しかし、もうそんなことはいい。そういう経験が今日あったけれど、それでもそんなことを言っていては仕方がない。そういう人間や、生き物はいくらでもいるし、これからもたくさん生まれるだろう。そういうものからできるだけ離れていたい、と思うだけ。自分はそういうものでいたくないと強く思うだけ。泣きながら眠る。