耳栓をしているし、一日の大半はしたくないことをしているし、生活も楽ではないけれど、幸せなのかもしれない。分からないけれど。
さっきまで、暗い部屋のなかで読書灯をつけ、漫画を読んでいて、途中まで読んだところでふとそう思った。その漫画のなかで、人の、いろいろな悩みや苦労が描かれていて、そういうのを読んだせいかもしれない。違うかもしれない。
不愉快なことや、わけもなく悲しいことや、つらいこともある。いっぽうで、楽しいこともあるし、笑うこともあるし、だれかになにかを話して嬉しいこともある。寝るときに、敷き布団の冷たいというただそれだけで、嬉しかったりもする。良い方向へ感情が動かされるときもあれば、逆の、いやなときもある。だれかと比べてどうこうではなく、ただ自分の感覚の、嬉しいと嬉しくないと、悲しいと悲しくないと、そういうのが、訪れたり消えていったりする。それともなにも思わず、無機質な壁をただ見つめているようなこともある。


漫画の続きを読もうと思う。それとももう遅いので、少し眠く、いつの間にか寝てしまうかもしれない。いままでと同じように、これからも、先のことはほとんどなにも分からない。