ある晴れた日、「あのこいあのこいあ」が道を歩いていると、前から「じぶらりじぶらりら」がやってきて、ふたりは軽く会釈して挨拶した。ふたりは毎日この道ですれ違っている。昔は「なればるなればるば」と合わせて三人で遊んだものだ。いまでは三人で遊ぶこともなくなったが、別に仲が悪くなったというわけではない。だから、「あのこいあのこいあ」も「じぶらりじぶらりら」も「なればるなればるば」も三人ともよく頭の中では、また一緒に遊んだり話したりしたいと思っているのだが、なぜかそういうことを言い出す者はいなかった。お互い遠慮してしまっているのだろうか。とにかく、そういう風にして地球の歴史はできていった。