銀座。ギャラリー小柳、ヘレン・ファン・ミーネ展。ギンザ・グラフィック・ギャラリー、シアン展。資生堂ギャラリー、須田悦弘展。ガーディアン・ガーデン、太陽雅晴展(DMを見て想像していたよりもずっとおもしろかった)。nichido contenporary art、佐内正史展。
表参道。NADiff、鷹野隆大展。表参道ヒルズ(TASCHENの専門店があるのが良いかな…)。ラフォーレミュージアム原宿、ブライアン・イーノ 音楽映像インスタレーション展。ラフォーレ原宿の前で熊谷和徳さんのタップダンスのパフォーマンスをしていたので見る。渋谷へ。東京ワンダーサイト渋谷、ヘレン・ファン・ミーネ展と鬼頭健吾+田幡浩一展(ここは美術を鑑賞する場所じゃないと思った。うるさすぎる)。
今日は良い天気で、土曜日だし人が多かった。表参道も人がすごかったけれど、吉祥寺へ戻ると吉祥寺も相当なものだった。もう公園は宴会のようになっていた。それから、部屋へ帰ると「イラストレーション」の最新号が届いていて、「ひとつぼ展」のことが載っていた。「落ち着いた様子でプレゼンをこなしたが…」と書いてあるけど、そう見えたのかな。全然そんなことはなかった。

今日ギャラリー小柳とワンダーサイト渋谷で見たヘレン・ファン・ミーネについて少し書きます。ヘレン・ファン・ミーネはたしかオランダの写真家。自分は写真集を買うことはまずないのだけれど、何ヶ月か前に本屋でヘレン・ファン・ミーネの写真集を立ち読みして、あまりに気に入ったので購入した(「PORTRAITS」という写真集。ギャラリー小柳ではこの写真集は非売品になっていた)。それ以来たびたびその写真集を眺めている。だから今回ギャラリー小柳で個展をやると知ってかなり楽しみにしていたのだ。
ヘレン・ファン・ミーネの写真はポートレート。モデルは思春期の少女や少年がほとんどで、その被写体となったモデルたちはみな、一様に不思議な表情をしている。どこか遠くを見つめていたり、目をつぶって恍惚とした様子をしていたり、また退屈そうにしていたり、少し謎めいていたり。ヘレン・ファン・ミーネは、少年少女の表情や仕草を使って、言葉では言い表せない「なにか」を表現しようとしている、ように見える(いま気付いたのだけれど、なんとなく、その静かな佇まいや光の使い方は、フェルメールに似ているかもしれない。そういえばフェルメールはオランダの画家だ)。また、ヘレン・ファン・ミーネは被写体に、普通ではない恰好をさせたり、普通からズレた仕草をさせる。ときにはそれは狂気を感じさせもする(自分はその狂気に感動する。そういう表情に感動する)。
今回、ギャラリー小柳の展示を見て意外だったのは、表情の振れが大きいものやシチュエーションが強いものよりも、あまり作家の作為が入っていないように見えるものの方が魅力的に思えたことだ。なんでもない、けれどもどうしても消すことのできない微妙な表情が残った写真、そういう写真に忘れがたい印象があった。ギャラリー小柳の場合、入って左側の、少女のセミヌード(と言っていいのかな。分からないけれど)3点並んだ展示が、とくに好きだった。あの3点は、部屋に飾りたい。欲しいと思った(もう少し安ければ本気で購入を考えるけど…)。
ワンダーサイト渋谷での展示は、日本で撮影され、日本人をモデルにした作品が多く、タイトルも「TOKYO GIRLS」になっている。しかしここは会場が悪く、良い記憶がないのが残念だ。作品展示の環境が悪いと作品(を鑑賞した経験)にも響いてしまう。


ヘレン・ファン・ミーネのウェブサイトがありました(いままで知らなかった)。こちらから写真が見れます。
http://www.hellenvanmeene.com/

写真集「PORTRAITS」はこれです。
http://www.aperture.org/store/books-detail.aspx?id=419