テレビで、四本足で歩く人を見た。それは、いかにも動物の真似をしたものではなく、後ろの足(本来の足)を曲げずに伸ばし、お尻を突き上げて、顔を少し無理をしたように上げ、土のうえをゆっくりと歩いていく姿。服は重力を受けてだらりとなっていて、本来の服のあり方とも変わっている。そういう人間のかたちが、なにかをあらわしているというか、自分の深いところにふれてくるようで、目が離せなかった。科学的な分析(背骨の曲がり方や遺伝子の異常)とか、そういう姿で生活することから生まれる物語(子どもに馬鹿にされながらも2キロの道のりを歩いてお菓子を買いに行く)を取り上げた部分には、そんなに興味が持てなかった。それより単純に、あの姿、あの人間のかたちに衝撃を受けた。