とりの絵の紹介、後半をお送りしようと思います。その前にひとつだけ。
前回、とりの絵の画像だけでなく、自分のコメントというか、文章もつけたのですが、これがもしかしたら必要ないのかも、と少し思いました。でも、ウェブの画像だけでは伝わらない部分もあると思いますし、やっぱり今回もつけることにします。個人的な感想みたいなものも、入れるかもしれません。それでは、はじめます。


まず、笠井絹子さん(blog)のとりの絵を紹介します。






ダチョウが羽をひろげたところでしょうか。まず色のカラフルさに目を奪われます。背景に、いくつかの分割されたグラデーションをつくり、とり自体は細かく色紙をちぎって貼っていくという…想像するだけで大変な作業のとりの絵です。


次に、桁山晃さん(blog)のとりの絵です。






こちらも色が目に飛び込んできて、強い印象のある絵ですね。とり自体は左下にうすく描かれていますが、画面のほとんどは文房具屋さんに売ってあるような、まるいシールで埋められています。注意して見ると、シールの下に(この画像では見えないですが)鉛筆でなにか描かれていて、それが消しゴムで消されているので、傷のようになって残っています。真ん中少し右上の一本の木が、心細いような感じで描かれていて、とりを見ているような気もします。


3番目に紹介するのは、YUKARINAさん(blog)のとりの絵です。






一見、とりに見えないのですが、よく見るとなにかの姿をしていそうで、でもその認識が確定できないのが、絵の魅力のひとつかもしれません。この絵は、貼りキャンバスに描かれていて、色鉛筆を使って細かく描かれたとり(みたいなもの)の部分はコラージュ的に貼られてあって、左上の絵の具が塗られた部分は、キャンバスにそのまま描かれています。


吉田和夏さん(web)のとりの絵です。






吉田さんもキャンバス地に描かれたのですが、枠組に貼らずにそのまま送ってくれました。とりが、なぜか吊された鉛筆に、さかさまになってつかまっています。これも、自分には一見してとりではなく、なにか違う生き物に見えてしまったのですが、そんなことはたいしたことではないのでしょう。細部の繊細さと、状況のおもしろさがある絵です。


堀友則さんのとりの絵です。






堀さんはウェブサイトやブログがないので少し紹介しますと、自分とはひとつぼ展で知り合った人で、最近ではエプソンのカラーイメージングコンテストで準グランプリを受賞しています(こちらで詳細が見れます)。
今回のとりの絵は、本人によると17、8のときに描かれた絵のようですが、現在の作品の片鱗が見えますね。混沌とした様子があって、アールブリュットの名前を出すのが正しいのかどうか分かりませんが、イメージが錯綜していて、おもしろい絵です。建物や人物、他のものも、それぞれ魅力があります。ちなみに、左上にENYAの文字が見えますが、どうやらENYAを聴きながら描いた絵らしく、送ってくれた封筒の中には、ENYAのベストアルバムも同封されていました。


最後に、二艘木洋行さん(pbbs)のとりの絵を紹介します。






じつは、上で紹介した堀さんも二艘木さんも、ふだんは「君づけ」で呼んでいるので、二艘木さんなんていう言い方は(自分にとって)気持ち悪いのですが、こういう場所なのでそのまま「さんづけ」で書きます。
さて、二艘木さんの絵ですが、もう完全にとりという形から離れていて、これがなんなのかさっぱり分かりません。人には見えますが、とりには見えないですね。ただ、そんなことはどうでもいいのでしょう。この自由な形態、色使い、しびれます。そして、どこかユーモラスな、愛嬌のある感じがするのも良いです(なんとも言えない、笑いを誘う表情!)。この絵は、一見するとパソコン(お絵かき掲示板)で描いたものを、そのままプリントアウトしただけに見えるのですが、よく見ると違います。この画像では分かりにくいかもしれないですが、少しずれているところがあります。どうやってつくるのかと言うと、色ごとに分解した10枚以上の紙を、1枚の紙にカラーコピーしていって、最終的にこの形にしているらしいです。いわば、カラーコピーを使った新しい版画ですね。手間がかかりそうで、本人も失敗が多いと言っていました。ただ、じっくり見ると、仕上がりは素晴らしいものがありますし、もちろんイメージのおもしろさもあって、独自の世界が広がっています。



というわけで、後半は6人になりましたが、前半4人と合わせて、10人のとりの絵を紹介しました。ほんとうに、それぞれのとりのかたち、描き方があって、紹介の文章を書いていると、あらためておもしろさを感じました。もちろん、ここに紹介できなかったとりもたくさんあるのですが、紹介できなかった絵も、それぞれおもしろかったです。


(今回のとりの絵の企画については、あと一回くらい日記に書くと思います。それから、とりの絵の交換を希望されて、まだ絵を送られていない方もいると思います。忙しい方もいらっしゃると思いますが、よろしくお願いします)