オリンピックを見ている。BS放送が映らないので、NHKや民放がやっている、(おもに)日本人選手が出る種目に限っているけれど。
今日テレビで、金メダルをとった女性の柔道の選手に、インタビューをしているのをぼんやり見ていた(上野さんか谷本さんか、どちらか名前と顔は忘れてしまった)。インタビュアーの人が、選手にいくつか質問をしたあと、最後に、「いままで柔道をしていて、柔道の一番良いと思うのはどこですか?」みたいな質問をした(正確な言葉は違うかもしれないけど、だいたいそういうような感じの質問)。選手は、「うまく言葉にできないんですけど…」と前置きをしてから、「体がおもしろいところです」と答えていた。
「柔道をするのは、体がおもしろい」という言葉は、柔道…というか、スポーツ全般について、これ以上にないくらいシンプルで、かつ的を得た言葉のような気がする。しかし、これだけシンプルなのに、はじめて聞く言葉のような気がした。柔道(スポーツ)をするのは気持ちが良い、でもなく、楽しい、でもなく、体がおもしろい、という言い方。
そういえば、水木しげるはどこかで(たぶん、自身の展覧会についてのコメントで)、「絵は見るものですからね、見てください」と言っていた。「絵は見るもの」というのは、あまりにシンプルで、かつ当たり前すぎることだけれど、当たり前すぎてだれも言わない。でも自分は、たしかにそうだと思って、感動したのを覚えている。