夜、へんな時間に起きてしまう。それで、なにか読もうと思って、この前ブックオフで買った、昔の「広告批評」を読んだ。特集は「写真新時代」というもので、ホンマタカシ佐内正史大森克己など6人の写真家へのインタビューや、後藤繁雄の文章とかがのっている。今回、はじめて読むように読んでいったのだけれど、ひとつだけ読んだ覚えのある記事があった。どこで読んだのかと思い、発売の日にちを見ると、1999年の2月とあり、いまからちょうど10年前。ということは、自分が大学生のときに、大学の図書館で読んだのだ、と思い当たった(そういうふうに気づくと、たしかに読んだような記憶がよみがえった)。10年前、自分は大学生で、まだ10代だった…。
自分に(ほかでもない、「この自分」に)10年という時間が流れたというのは、まったく、とんでもないことだ。それは、10年間で自分に良いことがあったとか悪いことがあったとか、成長したとかしなかったとか、そんなこととはまったくなにも関係なく、ただ単に「とんでもないこと」だ。それについて考えると、(処理するものが、自分の許容範囲をはるかに超えているように感じるため)気を失いそうになる。