2006-05-01から1ヶ月間の記事一覧

図書館の二階、公園の池の前のベンチ、自分の部屋のそれぞれで、本を読む。島尾敏雄の「死の刺」。その小説世界に引き込まれ、ぐいぐい引っぱられる。切迫感が、切実さが、痛いほど伝わってきて、泣きそうになる。 それから、「ひとつぼ展」に入選したみたい…

ひさしぶりに夕方の赤い陽を見た。ほんとに、こっちへきてからほとんど見ない。さえぎるものが多いからか。いつも、いつの間にか夜になっている。赤色をはさまずに、黒い色がくる。

上野。芸大の茂木さんの授業は、重松清がゲスト。ひとりでしゃべるのではなく対談形式で、いろいろおもしろかった。 帰り、上野公園の噴水前で、数十人の高校生らしき(制服を着た)人たちが、ダンスの練習をしているのを見た。

昨日のことだけれど、夢に、ある有名な詩人が出てきた。彼は、暗い部屋の中で、「詩とは、殺人現場に行くこと」と言った。

この3日間くらい、スクラップブックになにやら貼り付けることをしていました。作品のページのところに2冊置いてありますので、よかったら見てみてください。トップページには、その中の、自分でもとくに好きだと思えるものを使いました。 これをつくって、色…

色を求めると、意味は邪魔になってくる。色を前にして、意味は負ける。

目をつぶったら、何種類かの鳥の声、葉が風に揺れる音。子どもの声、自転車のまわる音。静かで、透明な明るい午後。 ベケットが、私の一日は、ただ自然の中で、太陽がのぼり、また沈んでいくのを眺めているだけ、それを毎日繰り返していると言っていたのを、…

地面が動いているような音。青白い光のあとに。

東京。皇居東御苑内にある、三の丸尚蔵館で「花鳥−愛でる心、彩る技 <若冲を中心に>」という名前の展示をしていて、見にいった。伊藤若冲の絵ってはじめて見たかもしれない(というか、日本画はダンスと同じように、ほとんど見た経験がない)。見る前の情…

ダンス(とくにコンテンポラリーダンス)に興味が出てきて、今日、吉祥寺シアターであった、ダンスカンパニーノマド〜sという舞踏集団(?)の「顔と歴史−小さなひとつの夜−」というのを、料金が安いという理由で、観た。ダンスは完全に素人で、いままでまっ…

天気がいいと、公園に人がたくさんやってくる。そして、いろいろなものを忘れて、またどこかへ帰っていく。 自分は部屋で絵を描いた。180×157㎝の大きい絵。この部屋で描けるほとんど限界の大きさだと思う。

昨夜遅く寝たのに、早朝なぜか目がさめてしまい、また寝ようとしても寝つけないので、起きて、窓の外を見ると、外は明るくなっていて、風がざあざあ鳴っていて、地面が濡れているのだけれど、そのせいで余計にいろいろ輝いていて、その輝きではっきりと目が…

また、今度は違う場所で、イモムシが空中に浮いていた。息を吹きかけて遊ぶ。ほんとうに細い糸で、よくこれでイモムシを支えているなとあらためて思う。すぐに切れそうなのに切れない。それから、よく見ると、糸は口からではなくお腹あたりから出ているのを…

下校中らしい小学生(女の子)が、ドライアイスのかたまりを蹴とばしながら歩いているのを見た。

ひさしぶりに絵をつくった。自分にとって新しさを含む、違う地平が見えそうな絵。意味よりも深い至福を求めて。 「チャーリーとチョコレート工場」と「エターナル・サンシャイン」を観る。

イモムシが空中に浮いていた。よく見ると、浮いているわけではなくて、細く、ほとんど透明な糸にぶらさがっているのだ。観察していると、頭部をうねうねと動かして上に上がろうとしている。見上げると、糸は相当に高い木の枝からつづいているように見える。…

また何回も書き直している。べつに言いたいことがないのに、無理してなにか言おうとするからへんになる。毎日更新する必要はないんだけど。 それまで持っていたなにか(価値観、世界観、既成概念など)を揺さぶること。やるべきは、それだけかもしれない。た…

銀座。ヴァニラ画廊のサクバトモミさんの個展を見にいく。立体の作品、おもしろかった。トークショーも聞いて。いままで会ったことのなかった、ネットの人とも会えた。終わった後の飲み会は、迷ったのだけれど、なんだか恥ずかしくて、参加できなかった。ど…

ナボコフの「ロリータ」(去年出た新訳)を読んだ。図書館へ返しにいき、今度は「透明な対象」を借りた。そういえば「ロリータ」ってキューブリックが映画化していたな、むかし観たけれど、もうほとんど忘れたからまた見直してみるか、と思ってツタヤへ行っ…

このところ、ずっと雲の多い天気だったけれど、今日は晴れて、すがすがしい。 横浜へ遊びにいく。中華街でご飯を食べて(修学旅行を楽しむ学生がたくさん歩きまわり、記念写真を撮り合い、ソフトクリームなどを舐めていた)、山下公園で海を見て(何ヶ月ぶり…

静かに木曜日の雨がふっている。規則的にさえずる鳥の声(変わった鳴き方)が聞こえる。湿った道路を蹴とばす、だれか女性の足音。遠くから聞こえる、不快な工事の機械音。 夕方には雨はやんでいる。あの鳥の鳴き声は消え、かわりに違う鳥(おそらく、真っ黒…

イメージが唯一の本質的な要素であるから、現実の人物たちをきっぱり消去する単純化こさが、決定的な完成なのです。(マルセル・プルースト)昨日の日記で書いたのと、意味が近いように思う。

芸術とは現実を破壊し、それを一次的な諸要素に解体し、それらによって新しい、変型の世界を再構成することができるのだし、またそうすべきだ−そしてこの自由意志はひとつの法則−「意味」の均衡にふれること、それが意味を所有することだ!−をむきだしにする…

最近読んだもの。リチャード・ブローティガン「アメリカの鱒釣り」、レイナルド・アレナス「ハバナへの旅」、トーベ・ヤンソン「小さなトロールと大きな洪水」「ムーミン谷の彗星」「ムーミン谷の冬」、三並夏「平成マシンガンズ」、阿部和重「グランド・フ…

この前芸大で聞いた荒川修作の話、ipodで何度か繰り返し聞いているのだけれど(茂木さんのウェブサイトに音声データがアップされている)、あらためてじっくり聞くことで、そのときには素通りしてしまった、はっとする言葉を見つけることがあって、その中の…

吉祥寺シアターという、わりと最近にできた新しい劇場で、なにかイベントのようなものがあるというので見にいく。そこで、少しダンスも見れたのだけれど、男性と女性がふたり舞台の上でダンスをしているのを見ておもしろいと思ったのは、ふたりがずっと離れ…

みんなあんなに楽しそうにしている。

外は楽しい気分があふれているけれど、内側はそうではない。夕方の薄い光で本を読むのに疲れて、そばに本を起き、横になってなにか考えている。どうにも頼りない身分で、ただ空気の中に存在している。 もうすぐ夜になるかな。小さい声でカラスが鳴いている。…

神田。古本屋をまわって、カレーライスを食べる。それから、友達の個展を見にいく。夜、ビルの屋上で、だれかの歌とだれかのダンス。風が冷たくて、凍えながら見る。

昨日の暑さはなんだったんだろう。夜も寝苦しかった。 それで、そのせいかどうか知らないけれど、夢に雪が出てきた。積もった雪を、茶碗に入れて食べようとする夢。自分は、できるだけきれいな雪を食べようと、小さなモミの木の下あたりにある雪を集めるのだ…